マスク姿で避難所にたどり着き検温を受ける男性=6日午後5時ごろ、佐賀市の神野小

早くから多くの人が避難した基山町総合体育館。テントなどでスペースを確保する人も見られた=基山町宮浦

店舗シャッターに浸水を防ぐビニールを貼る女性=6日午後、佐賀市白山

 大型で非常に強い台風10号の接近に伴い佐賀県内は6日、各市町の避難所やホテルに多くの住民が押し寄せた。気象庁が「最大級の警戒」を警告する過去最強クラスの台風。新型コロナウイルス禍での初めての本格的な災害避難に、住民らは不安を隠しきれないまま、緊迫の一日を過ごすことになった。

 唐津市は午後1時に44カ所に避難所を設置した。待ち構えたかのように、同市神田の長松公民館には約30人が身を寄せた。避難してきた人たちに検温をし、入り口には消毒液が置かれ、マスク着用を勧めた。担当職員が避難してきた市民に「親族などにコロナ感染者はいませんか」と尋ねるなどできる限りの感染症対策を講じた。同市菜畑の植田徹さん(88)は「家が高台にあり、まともに風をくらい、窓ガラスが割れるのが怖い」と不安を募らせた。

 佐賀市富士町の富士支所では、感染症対策として部屋を2メートル間隔に区切り、人数制限を設け、後から来た避難者には別の施設を案内した。近所の独り暮らしの女性(87)はお茶やおにぎり、薬を持って避難。「家の裏が広い駐車場だから、風で壊れたらと思うと怖い。感染症が心配で消毒液や体温計、マスクの予備も持ってきた」と厳しい表情で話した。

 三養基郡基山町の町民会館と町総合体育館には開設から1時間半で117世帯227人が詰めかけた。担当者は「想定以上に多い」と戸惑い気味に話した。

 ホテルへの避難も相次いだ。唐津市鎮西町の観光ホテルは満室で、半数以上が避難目的の近隣自治体の住民だった。宿泊サービスは通常通りだが、7日のチェックアウトは台風が過ぎるまで延長する。ホテル関係者は「とにかく、宿泊者に安心して過ごしてほしい」と話した。

 最大瞬間風速70メートルとの予報を受け、暴風雨を避けようと立体駐車場に車の避難が殺到した。遊技場などを運営するヤマト(本社・佐賀市)はパチンコ店「ゴールデンラッキー」の立体駐車場を地元住民に開放し、正午までに9割ほど埋まった。同社は「立駐の開放は今回が初めて。佐賀は車社会なので、住民の切実さが分かった」と話した。(取材班)

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