資材が高潮にさらわれないようにロープで固定する漁業者。近くでは7月豪雨の流木の処理を行っていた=佐賀市川副町の戸ケ里漁港

 非常に強い台風10号は7日、佐賀県に最接近する。7月の記録的な豪雨で被害を受け、復旧に努めている有明海沿岸の漁業者らからすれば、わずか2カ月で追い打ちをかけられる格好だ。特別警報級の暴風雨や高潮への警戒を迫られ、恨み節も漏れた。

 「台風9号に続きやってくる。堆積した土砂もまだ回収できていないのに…」。佐賀市川副町の戸ケ里漁港で対応に追われたノリ漁師の男性(47)はため息をついた。10日にノリ養殖の支柱立てを予定していたが、「台風で目印が消えてしまわないといいが…。豪雨の時のように大量の流木や土砂が流れたら困る。令和に入って不安ばっかいよ」。資材が流れないようロープをきつく固定した。

 佐賀市東与賀町の広江漁港では、漁業者が協力して水門内に漁船約40隻を避難させた。東与賀漁協の田中和久さん(59)は「普段はこんなに多くない。みんなこれまでの台風より警戒している」と語った。

 大浦港の満潮時刻が7日午前11時35分で、佐賀地方気象台は「台風が最接近した後に満潮を迎える」と語り、高潮の危険性を指摘する。沿岸の住民には「暴風になってからの屋外での行動は命の危険がある。6日夜までに避難を」と呼び掛ける。

 7月豪雨で浜川(鹿島市)が氾濫し、浸水被害に見舞われた祐徳門前商店街で土産品を売る掛園ふみ子さん(60)は6日、店を閉めて近くの体育館に避難する。「台風9号もかなり風があったが、今度の台風はさらに大きい。ほんと怖い」。店のシャッターにブロックの重しを載せながら、不安げな表情を浮かべた。(大田浩司、中島幸毅、鶴澤弘樹)

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