防災ヘリに救助者を運び込むことを想定した訓練に取り組む隊員たち=佐賀市の県消防学校

建設が進んでいる県防災航空センター=佐賀市川副町の佐賀空港公園西側

 全国で豪雨災害が相次ぐ中、上空からの情報収集や人命救助などを目的に、4月に発足した佐賀県防災航空隊。消防防災ヘリコプター(防災ヘリ)の納入は12月以降になるが、隊員たちは運航のマニュアル作りや他県での搭乗訓練などに取り組み、来年3月の運航開始に向けて準備を進めている。

 11日午前、佐賀市の県消防学校。県内全5消防本部から選抜された活動班の隊員9人は、上空での活動をイメージしながら、救助者を防災ヘリに運び込む手順を確認した。「金具はこの角度から付けよう」「ロープはねじれないように」。訓練の終わりには、必ず全員で気付きを共有する。

 ヘリの実機納入は12月以降の予定で、現在の訓練は座学が中心になる。陸上自衛隊でヘリの操縦士としての経験がある田中徹運航安全管理監(57)の助言を受け、他県の救助時の映像を見ながら降下の手順などを学んでいるほか、運航や救助に関するマニュアル作りに取り組んでいる。

 航空隊は、豪雨などの災害時だけでなく、山岳遭難や水難事故、林野火災などで、上空からの映像による情報収集や救助活動を担う。2019年8月の佐賀豪雨では、熊本県の防災ヘリの映像で、鉄工所から油が流出した杵島郡大町町などの被災状況を把握した。県防災航空センターの宮地誠準備室長(53)は「今後は県の判断でヘリを使いこなせる点で、迅速な行動につながる」と話す。

 実機での訓練や研修は、航空隊がある長崎、大分、福岡、鹿児島の4県に出向いて実施した。ヘリでの活動は危険と隣り合わせでもあり09年以降、国内で4件の墜落事故が発生し計26人が死亡している。脇山尚隊長(48)は「陸上での活動とは環境が全く違う。より高い安全管理への意識とチームワークが大切になる」と気を引き締める。

 防災ヘリの操縦を担う航空班6人はエス・ジー・シー佐賀航空(佐賀市)に委託している。航空班と活動班の合同訓練は、防災ヘリ納入後に本格化する。脇山隊長は「ゼロからのスタートで手探りだが、他県の取り組みを検証しつつ、全員が共通認識を持って万全の準備を進めていく」と話している。(松岡蒼大)

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