毎週、新型コロナウイルスへの不安を語る高齢女性の患者さんが数名いらっしゃいます。情報氾濫によるTVウイルスにかかっておられるのでは、と冗談を飛ばすと安心されますが。

 今年に入って中国武漢で発生した新型コロナウイルスの爆発的な感染、増え続ける死者。感染は西ヨーロッパ諸国からアメリカへと拡大し、さらに全世界に広がっていくという現象が報道で伝えられました。それはさまざまな人々に、不安とおびえを与えることになりました。

 しかし、新型コロナウイルスの患者さんの約80%は軽症で、致死率は2.3%。SARSの致死率約10%、MARSの約35%と比較すると、軽症かもしれません。

 ところで、日本獣医学学会のホームページに掲載されている「人獣共通感染症連続講座」を読んでみると興味深い。人類の誕生は約20万年前で、この頃からウイルスは存在し、他の生物と「共存」していたと考えられています。人類が初めてウイルスを発見したのは1898年で、それは植物に寄生していました。その後、1931年に最初の電子顕微鏡が発明され、2年後の33年にはウイルスを初めて人から分離し、単体のウイルスを見える化できるようになりました。

 8月2日にWHO事務局長は「影響は今後数十年に及ぶ」と声明を発表しましたが、武田邦彦氏がYouTube(ユーチューブ)に投稿した新型コロナウイルスに関する動画によると、日本では4月の感染者数が約1万2000人(死亡者数約370人)、7月は約1万5700人(同31人)で、現在は、死亡者数が約10分の1に減少。新型コロナウイルスは弱毒化の道をたどっています。これから、感染者数は増加するかもしれませんが、確実に新型コロナウイルスで亡くなる方は少なくなると思われます。

 予防のためのうがい、手洗いは有効で、マスクを適宜着用し、十分な睡眠と栄養、軽度の運動を続けていれば、感染のリスクは減り、たとえ感染しても大事にはいたらないでしょう。基本を押さえて冷静に行動しましょう。悲観からは何も生まれません。(九州大学キャンパスライフ・健康支援センター・副センター長・統括産業医 佐藤 武)

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