雨が降った後だけ姿を現す滝が、有田町の竜門峡にある。竜門ダムの崖に白糸を垂らす小さな滝で、山の緑に色を添える存在として、ダム湖を周回するウオーキングコースの常連にはよく知られている。
雨が続くと、黒い岩肌にくっきりと浮かび上がる。ダムの南側の崖から30メートル以上の高低差を落ちているとみられ、小さな滝つぼから小川となってダム湖に注ぐ。日照りが続くと、か細くなり、ダムの対岸からはほとんど見えなくなる。
1周約2・8キロの周回道路を毎日歩くという地元の中川寛さん(72)は「『幻の滝』っていうのかな。雨の後、4、5日は見えるみたい」。ダム管理所の職員は「名前はないんじゃないか。7月の大雨の時は(滝の)線も太かった」と語る。
ダム湖最奥部には水遊びができるキャンプ場があり、夏休み中は家族連れでにぎわう。周回道路沿いには天然水をくむポイントもあり、ポリタンクやペットボトルを持ち込む人も多い。周回道路は一方通行なので要注意。(志垣直哉)