紅白戦で笑顔の長岡望悠(中央)=2日、東京都内(日本バレーボール協会提供)

 東京五輪の1年延期が追い風になるかもしれない。バレーボール女子で2016年リオデジャネイロ五輪に出場した長岡望悠(29)=久光=は今夏の代表合宿に2年ぶりに招集された。17年3月、18年12月と2度も左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負いながら、手術を経て復帰した。

 「まだ痛みがあったり、怖さがあったりする」と打ち明ける。それでも今月2日は代表の紅白戦に出場し、得点も決めた。「たくさんの方に喜んでいただけてすごくうれしかったし、ありがたかった」。苦難の道のりを思い浮かべた。

 3月下旬の延期決定時は代表に選ばれておらず膝も回復途上。「応援者の立場という目線で捉えていた」という。7月に追加で代表に選ばれた際は「驚きが一番だった」。パフォーマンスに納得いかない気持ちも抱えながら「できる精いっぱいのことをやろう」と9日までの合宿を過ごした。

 得点力不足が課題の日本にとって、前衛も後衛も関係なくコート右から強烈な打球をたたき込めるサウスポーは貴重な存在だ。現役時代に同じけがを経験した中田久美監督は「脳の神経をどう膝に伝えていくかという神経系のトレーニングをやっていければ。調子が本当に上がっていけば戦力になる」と期待する。

 長岡は「毎日、何か一つでも成長できるように一日をすごく大事にして過ごす」と足元を見つめる。思わず訪れた1年を復活への助走路にする。【共同】

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