「復活させた農村地帯をアフガン全土に広げたい」とさらなる夢を語る中村哲医師=佐賀市のホテルマリターレ創世

 アフガニスタンで約30年にわたり医療や農業支援を続けてきた医師中村哲氏の講演会(県保険医協会主催)が26日、佐賀市で開かれた。中村氏は「アフガンで最も大きな問題は紛争ではなく砂漠化。自然と共存する知恵と技術を提供することが、真の復興支援につながる」と訴えた。

 中村氏は福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表として、貧困層のための医療支援や飲料水・農業用水の確保に取り組んでいる。人々は気候変動による干ばつに苦しめられ、食べられない農民が兵士になっていることから、「軍事力による介入や経済力にものをいわせた支援では、根本的解決にならない」と強調した。

 同会が2003年から7年がかりで整備した全長25・5キロの大規模な農業用水路は、江戸時代に日本で確立した伝統的なかんがい技術を参考にしたという。その結果、砂漠の中に65万人が食べていける1万6千ヘクタールの農地ができた。

 中村氏は「重機をつぎ込めば簡単にできたかもしれないが、それでは何世代にもわたって技術継承できない。自然と調和して生きていく先人の知恵を、日本人はもっと大事にすべき」と話した。

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