猛暑の中、家族3世代で訪れお墓に手を合わせる女性たち=佐賀市唐人の厳浄寺(撮影・鶴澤弘樹)

 マスクの奥からくぐもった読経の声が響く「静かなお盆」が始まった。盆の入りの13日、佐賀県内の寺や墓地では花を手にした人たちが先祖に手を合わせた。新型コロナウイルスの影響で帰省を自粛した人も多く、県内の親族だけで墓参りする姿が見られた。

 佐賀市唐人の浄土真宗本願寺派厳浄寺(ごんじょうじ)では、参拝者を絞った法要が執り行われた。例年は本堂で13日と14日に1回ずつ法要を勤め、各回80人以上の参拝者が詰めかけていた。今年は「密」を避けるため、1日3回に分けて実施する。事前に檀家(だんか)に希望の回を尋ね、1回あたりの参拝者を15家族前後に分散させた。

 入り口で「体調の悪い方はいらっしゃいませんか」と声を掛け、手指の消毒を勧めた。参拝者は互いに距離を取り、マスクをしたまま読経した。神邊和紀住職(67)は「お盆は命をつないでくれた先祖に感謝し、命を頂いたことを喜び合う日」と語りかけた。

 両親の位牌(いはい)を携えて参拝した佐賀市の熊本由美子さん(49)は「遠方のおいっ子も帰省せず、親戚の集まりもなくなり、静かなお盆」と話し、「コロナ自粛で参拝するか迷ったが、お盆だから供養はしたい。今日の外出はこれだけ」と、猛暑でしたたる汗を拭っていた。

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