担架で負傷者を運ぶ救護員(明治時代)

救護員に届いた戦時召集状

1939年の赤十字デーのポスター

出征時に着用した日本赤十字社の看護婦制服や救護に使った照明などを展示する

 日本赤十字社の創設者、佐野常民を顕彰する佐野常民記念館(佐賀市川副町)で企画展「戦争と戦時救護」が開かれている。西南戦争や太平洋戦争など、戦禍で傷病者を支えた日本赤十字社の救護員たちの奮闘にスポットを当て、現存する多様な史料を通し、戦争と平和について考える。

 日本赤十字社の前身、博愛社は1877(明治10)年の西南戦争をきっかけに誕生。戦時中は、佐野が提唱した「博愛」「人道」の精神を実践し、敵、味方関係なく、負傷者の救護を行った。西南戦争から上海事変まで9022人を派遣。日中戦争と太平洋戦争で3万人以上の救護員を派遣し千人以上が殉職した。

 会場では、白い看護服を着た救護員が担架で負傷者を運ぶ様子や、出征時の記念写真などが並ぶ。上品さを感じさせる紺色の看護制服は出征した時に着ていたもの。戦場でも品行方正に働く女性たちの姿が思い浮かぶ。救護用の照明「カンテラ」や、1933(昭和8)年から日本で始まった「赤十字デー」のポスター、1937(昭和12)年に救護員に届いた戦時召集状(赤紙)も並ぶ。

 学芸員の山口智世さんは「戦争体験者が減りゆく中、戦争という事実があったことを再認識してもらいたい」と話す。(福本真理)

 ▼12月20日まで。観覧料は大人300円、小中高生100円。毎週月曜休館。祝日の場合は翌日。(8月17日は開館)

 

このエントリーをはてなブックマークに追加