「その動物らしい特徴を捉え、あえてアンバランスに仕上げている」と空想画のこだわりを話す一ノ瀬堅介さん=鹿島市高津原の鹿島高

一ノ瀬堅介さん「海ごみの脅威」(73×103センチ)

 鹿島高2年の一ノ瀬堅介さんは、環境問題を訴えるポスター「海ごみの脅威」で、美術・工芸部門の県代表になった。ごみ問題について調べるほどに受けた衝撃が、画面の中で不穏に立ち上がる。

 漁網が甲羅に絡まったウミガメ、円形のごみが食い込み、体が変形した魚-。作品には「海ごみで生き物たちが苦しんでいます。」というメッセージを添え、もの言わぬ海の生き物たちが苦しむ姿をちりばめた。

 ごみ問題について耳にしたことはあったが、実際に調べると、目を覆いたくなるほど残酷な光景が広がっていた。「『これぐらいはいいだろう』が積み重なって、生き物に害をなす。作品を通して、それを意識してもらえたら」と話す。

 受賞作はうろこ一枚一枚までリアルに描ききった。ただ、普段は動物などをデフォルメした空想画も好んで描く。真面目で物静かな一ノ瀬さんの印象とは対照的に、ユーモラスなキャラクターたちが絵の中でにぎやかに動き回る。

 ハットをかぶり、パイプを手にした「コウモリ伯爵」は、学校の部員勧誘チラシに採用された。最近は、水中を走る蒸気機関車の駅をイメージし「カエルの駅員」を生み出した。駅と水中など一見、無関係なモチーフを組み合わせて次々に想像の羽を広げていく。今年の学校祭のポスターを依頼され、生徒が画面から飛び出すような迫力満点の作品を手掛けた。

 「現地で作品の実物を見て回りたかったけれど、ネットのおかげで離れた場所からもいろいろな作品を見られる」。絵画に工芸、映像…。多様なアートの競演を画面越しに楽しんでいる。(花木芙美)

 

美術・工芸部門

 絵画、版画、彫刻、デザイン、工芸、映像作品約400点を作者のコメントとともにウェブ上で公開。県内からは一ノ瀬さんのほか、絵画で島松祐喜乃さん(唐津東2)中村実聖さん(佐賀清和3)小笠原暖花さん(武雄2)、デザインで東郷光里さん(佐賀北2)吉田朱音さん(佐賀女子2)、彫刻で岩永旭陽さん(有田工3)が出展する。

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