もし、あなたが兵士だったら

 どこかの国の森の湖(みずうみ)のほとりで人知れず死んだ兵士(へいし)。彼(かれ)は1時間前、生きて戦(たたか)っていました。8時間前は仲間(なかま)と朝食をとっていました。2日前は、1年前は…。ページをめくるごとに時をさかのぼって兵士の過去(かこ)を知っていくうち、ひとりの人間が死んだということがしだいにリアルに感じられます。
 「こんなはずじゃなかった」と思いながらも戦地(せんち)へ行かざるをえなかった彼の無念(むねん)さを思って暗(あん)たんとした気持ちになります。残酷(ざんこく)な描写(びょうしゃ)はなく数分で読める白黒だけのシンプルな絵本ですが、読んだ時間の何倍も死んだ兵士について考えてしまう、そんな本です。
 もし、あなたがこの兵士だったとしたら、どう行動したでしょうか。ぜひ読んで考えてみてください。(司書ネットワーク課 岩永裕子)

【ほかにもこんな本をおすすめ!】
▽日本の戦争と動物たち1・戦場に連れていかれた動物たち 東海林次男/著(汐文社)
▽字のないはがき 向田邦子/原作、角田光代/文、西加奈子/絵(小学館)
▽父さんはどうしてヒトラーに投票したの? ディディエ・デニンクス/文、PEF/絵(解放出版社)

 

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