唐津くんちの曳山巡行の中止を決定した経緯や理由を説明した山内啓慈総取締=唐津市の唐津神社

 唐津神社の秋季例大祭「唐津くんち」を取り仕切る唐津曳山(ひきやま)取締会は6日、新型コロナウイルスの感染防止のため、11月2~4日の曳山巡行を取りやめることを決めた。200年の歴史の中で曳山巡行が中止になるのは初めて。11月3日の神事だけは執り行う。

 唐津神社で会見した戸川忠俊宮司(45)は「祭りの主催者として、神社総代、曳き子、見物人の命と健康を第一に考えると、感染拡大を招く行為は慎むべき」と中止に至った理由を説明した。「別の開催案も考えたが、悲しい判断になった。一日も早い収束を祈念したい」と述べた。

 混雑を避ける対策が難しく、曳山取締会の山内啓慈総取締(71)は「5月から関係各位が、いろんな協議を積み重ねてきた。7月の半ばになり、コロナが全国にまん延してきた。子どもからお年寄りまで、皆の命を危険にさらすことはできなかった。断腸の思い」と悔しさをにじませた。

 唐津くんちは、獅子やかぶとなどをかたどった14台の曳山(やま)が市内の城下町を巡行し、期間中は50万人前後の観光客が訪れる。1819(文政2)年に1番曳山「赤獅子」が誕生して以来、太平洋戦争中を含めて過去に中止になった記録はない。2016年には国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。(成富禎倫)

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