辻さんの作品「向日葵(ひまわり)」

辻天游馬さん

 辻修窯は武雄市山内町の黒髪山少年自然の家の近くにある窯で、辻天遊馬(てんゆうま)さん(42)の父修(おさむ)さん(72)が開いた窯です。天游馬さんは有田工高窯業科を卒業後、窯業大学でろくろと絵付けを学び、自宅工房で作陶に励んでいます。

 辻修窯の作品は、器や陶板に濃い藍色一色で四季の野草や動物などのモチーフが細密に描かれています。日本各地で開催する個展は好評で、海外から訪れる人をも魅了します。

 修さんは下生地と呉須の濃いブルーがマッチするオリジナルの釉薬(ゆうやく)を開発。濃(だみ)筆を用いて濃淡を表現し、野草や動物などを綿密に描いて仕上げていく技法を考案しました。天游馬さんはその技法を受け継いでいます。

 藍色だけで立体感を出すためにダミの技法を駆使しています。特に難しいのは、先に図柄を描き、周りの背景を呉須で塗り込むため、先に描いた図柄にかぶらないようにする「外ダミ」の技法です。集中力と巧みな筆遣いが要求されるそうです。

 「父が考案した技法ですが、藍色一色で自分がどこまで表現できるか、可能性を追い掛けていきたい」と天游馬さん。星空や葉や花びら、魚の群れを陶磁器に描く新作に挑戦しています。電話0954(45)4905。(二宮幸枝=江北町)

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