バスケットボール男子決勝・唐津工-佐賀北ドリブルからシュートを狙う唐津工の尾島隆太郎(左)。チームは初めて夏の頂点に立った

ソフトボール女子で王座奪還を果たした佐賀女子の選手たち

サッカー男子決勝でPK戦を制し、喜びを爆発させる佐賀商イレブン

陸上女子400メートルリレー決勝でバトンをつなぐ各校の選手たち

水球男子は、佐賀東が大分商との交流試合を制した

野球決勝・敬徳-龍谷 延長13回、サヨナラ勝ちで笑顔がはじける森悠人主将(左端)ら龍谷ナイン

 「SAGA2020 SSP杯佐賀県高校スポーツ大会」が4日、閉幕した。新型コロナウイルスの影響で初めて中止になった県高校総合体育大会に代わる大会で、野球も競技の一つに加わる全国初の試みとして実施された。31競技33種目に約8千人の高校生アスリートが参加し、新たな集大成の舞台で熱戦を繰り広げた。多くのドラマや感動が生まれた約2カ月間の大会を振り返る。

 SSP杯は開催までのスピード感が際立った。全国的な感染の広がりを受け、県総体の中止が決まったのは5月11日。その後、「3年生の集大成の場をつくろう」と県や県教育委員会が県高校体育連盟と連携し、1週間後の19日にはSSP杯開催が発表された。

 さらに20日に夏の甲子園大会と佐賀大会が中止になると、野球の代替大会を兼ねることも決定。県高校野球連盟を加えた4者が主催する形となった。大会開幕は6月13日。例年の県総体からは2週間遅いものの、早期に開催が決まったことで、多くの3年生の参加が可能になった。

 大会期間中は、感染防止のためマスク着用や会場での検温などを徹底。プログラムを短縮したり、入場制限を設けたりと、運営に細心の注意を払った。無観客となった屋内競技では、県と佐賀新聞社などが協力して試合の模様をオンライン配信し、視聴回数は合計で約40万回にも上った。

 試合では多くのドラマが生まれた。バスケットボール男子決勝は、唐津工が残り2秒の逆転シュートで前年王者の佐賀北を破り、夏の大会初優勝を飾った。サッカー男子は、佐賀商が龍谷とのPK戦を制して優勝し、古豪復活を印象づけた。野球は龍谷と敬徳のノーシード校同士の決勝になり、延長十三回の大熱戦で龍谷が頂点に立った。

 ソフトボール女子の強豪・佐賀女子やハンドボール男子の神埼清明は、前年の総体で敗れた悔しさをばねに王座を奪還した。個人種目では、陸上女子ハンマー投げの藤野愛奈(佐賀商)が県新記録、男子400メートルの山下譲尊(鳥栖工)が県高校記録を塗り替えるなど、3年生の活躍が光った。

 県を越えての交流も大会の特徴の一つ。県総体では通常実施されないソフトボール男子、ホッケー男女、水球の3競技は、それぞれ大分県の高校を招いて交流試合が組まれた。7月の九州豪雨で地元が被害を受けた玖珠美山(大分県玖珠町)の選手は「総体、国体が中止になり目標を失っていた中で、試合ができる機会をつくってもらい感謝している」と語った。

 SSP杯は甲子園やインターハイなど全国にはつながらないが、選手の真剣な表情や試合後の涙が、大会の意義を物語っていた。短期間での開催準備や運営に奔走した各競技団体など、多くの人の支えがあって大会は実現した。コロナ禍の困難な状況で生まれた「オール佐賀」の結束を、佐賀で開かれる国民スポーツ大会にも生かしていきたい。(山口源貴)

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