九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉間の整備方式の見直しに関し、今後の財源議論で「他の線区より後回しになる」との見方を示した山本幸三与党検討委員長=東京都内

 九州新幹線長崎ルート新鳥栖―武雄温泉間の整備方式見直しに関し、与党検討委員会の山本幸三委員長(自民、衆院福岡10区)は5日、佐賀新聞社のインタビューに応じ、「財源議論は後回しになる」と述べ、北陸新幹線(敦賀―新大阪)とセットの財源議論から切り離されるとの見方を示した。長崎ルートにおける環境影響評価(アセスメント)の実施を佐賀県が拒否し、国土交通省が「2023年度末までの着工は困難」との認識を示したことを受けた発言で、検討委での議論凍結も示唆した。

 山本氏は、国交省が佐賀県に提案した五つの整備方式に対応するアセス案について「極めて現実的な案」と評価した上で、「拒否した佐賀県の考えが理解できない」と述べた。今後の財源議論については「できる線区からやっていくしかない」とし、北陸新幹線が先行するとの見通しを示した。

 委員長を務める検討委での議論についても「知恵の出しようもなく、これ以上の議論は後回しになる」と強調した。議論凍結という意味合いかとの質問には「そうだ。大いにあり得る」と答えた。次回の検討委は、21年度予算概算要求の締め切りを見据え「9月末までに開く必要がある」とし、この会合で現状を整理する考えを示した。

 政府・与党がフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)での運行を断念した長崎ルートを巡っては、与党検討委が19年8月5日、在来線区間の新鳥栖―武雄温泉について「フル規格が適当」とする方針を示し、国交省に佐賀県など関係者との協議を求めた。

 県と国交省は今年6月5日、フル規格、ミニ新幹線、スーパー特急、フリーゲージトレイン、武雄温泉駅での対面乗り換え(リレー)の5方式について議論する「幅広い協議」を開始した。この5方式に対応するアセス案を県が拒否したことを受け、国交省は7月31日に「23年度着工は困難」との認識を示した。整備方式に関する県と国の協議は継続する。(東京支社・山口貴由)

【インタビュー要旨】<山本幸三・新幹線与党検討委員長インタビュー>「佐賀県の考え理解できない」

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