バイヤーとのウェブでの商談で、画面越しに商品を紹介する企業の担当者=佐賀市鍋島町の県産業スマート化センター

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの企業やバイヤーが一堂に会する合同商談会の開催が難しくなる中、オンラインで代替するウェブ商談会が佐賀県内でも広がっている。移動時間が要らず、1対1の商談時間が確保できる利点があり、商品のサンプルや説明資料を事前に送るなど工夫を重ねている。

 「アスパラは夏のイメージがあるけど」「うちはハウス栽培なので秋まで安定して出荷ができます」―。大手バイヤーからの画面越しの質問に、農畜産品の生産から卸まで幅広く手掛けている「有明・潮風ファーム」(小城市)の下村一王社長(37)は、アスパラがよく見えるように手に持ちながら答えた。

 7月29日、佐賀市鍋島町の県産業スマート化センター。佐賀銀行が初めて開いた「食のWEB商談会」には、県内や福岡の食品製造・加工メーカーや農業法人など17社が参加した。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を用い、事前に送付した説明資料や名刺を元に、1回当たり30分間と時間を区切って商談が進められた。

 ウェブを用いた商談は初めてだったという下村社長は「案外緊張しなかった」と笑顔を見せた。例年1カ月に1度開かれていた商談会は、新型コロナの影響でゼロになった。「合同商談会だと、数日間で何百人もの人と出会えるが、今回はあらかじめマッチングしてもらい、1対1でじっくり説明ができた。こちらの方がいいかも」と手応えを感じた様子だった。

 同行の担当者によると、6月に約20社のバイヤーを招いて大規模な商談会を計画していたが、新型コロナの状況を考慮して開催を見送った。「企業とバイヤーの双方から商談の機会を求める声が上がった」と、ウェブ商談会を企画した背景を説明する。当初は1日間だけの予定だったが、参加申し込みが相次ぎ、日程を2日間に分けたという。

 ウェブでの商談は全国的にも広がりを見せている。佐賀銀行は「地方銀行フードセレクション2020」(10月1日~12月31日)、佐賀共栄銀行は「地方創生『食の魅力』発見商談会2020」(8月1日~10月31日)をそれぞれ、全国の地銀や第二地銀と共催予定。企業とバイヤーをマッチングし、個別のウェブ商談につなげる仕組みを提供する。(大橋諒)

このエントリーをはてなブックマークに追加