新型コロナウイルスの学校での感染を防ぐため、佐賀県内の市や町は国の臨時交付金などを活用して追加対策に取り組んでいる。鳥栖市をはじめ、唐津市、小城市では学校現場で新たに発生した消毒作業などのため、「スクール・サポート・スタッフ」も配置する。7月20日に77日ぶりの感染者が確認されて以降、県内も日々新たな感染者が確認されている。各校は追加対策や基礎的な予防策を徹底し、校内感染防止に力を入れてほしい。

 新型コロナによって、学校現場では新たな業務が増えている。教師は「子どもが発熱してないか」と家庭からの連絡帳をチェックし、記録がない子は熱を測らせ、体調を崩した子がいないか常に気を配る。校内の消毒作業も発生し、大きな負担になっているという。

 これらは従来業務に上乗せされており、鳥栖市はスクール・サポート・スタッフを市内12小中学校に1人ずつ配置して現場教師の負担を軽減する。雇用期間は2学期と3学期で、1日4時間勤務。市議からは「4時間勤務の中で、効果的にサポートしてほしい」との要望も出た。現場教師の負担を軽減しつつ、各校はサポートスタッフを上手に生かして感染防止につなげてほしい。

 県内で77日ぶりに感染が確認された鳥栖市の男性会社経営者は、後に感染が確認された従業員と、両者ともマスクをせずに話していたという。「もしも」の話をしても仕方がないが、市の対策本部会議では「マスクをしていたら」という声も出たという。自戒も込めてだが、人はある状態が続くと“慣れっこ”になってしまう。感染予防に向け、もう一度、私たちは気持ちを引き締めなければならない。

 学校の感染予防対策として、鳥栖市は消毒液やハンドソープも改めて購入する。感染防止は一人一人の行動にかかっているのは言うまでもない。子どもたちが慣れっこになって気を緩めることがないように手洗い、消毒の徹底を図ってほしい。市は各校の実情に合った備品が購入できるように計2150万円の予算もつけた。空気清浄機や換気対策の扇風機、パーティションなどを購入予定といい、各校の工夫のしどころだろう。

 季節性のインフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの同時流行を防ぐため、鳥栖市は生後6カ月から高校3年生を対象に、インフルエンザの予防接種の助成(1回2千円)も10月から初めて行う。インフルエンザの流行期に入ると、発熱に対して「新型コロナなのか、インフルエンザなのか」と混乱してしまう。そうしたケースを減らす効果が期待できる。

 冬の流行期にかけ、新型コロナに対しては各市町で多種多様な施策が打ち出されるだろう。せっかくの施策も住民に届かなければ意味がない。各市町は市報や町報、チラシなどで取り組みの周知に力を入れてほしい。住民や保護者同士がそれぞれの市や町の施策について「こういうことができるらしいよ」と声を掛け合うことも周知を補い、効果があるだろう。

 本格的な夏を迎えても新型コロナは猛威を振るい、冬の風邪流行期はどうなることかと不安が募る。各校はもう一度、有効な対策を見直し、夏休み明け以降に備えてほしい。(樋渡光憲)

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