受け付けスタッフから手指に消毒液をかけてもらう来場者=佐賀市文化会館

偶数列を空席にして、来場客同士の間隔を空けた客席=佐賀市文化会館

 市文化会館では10、11日に、50年の歴史を持つ演劇鑑賞団体「佐賀市民劇場」が劇団青年劇場の「キネマの神様」(原田マハ原作)を上演する。今田香世事務局長は「どんなに大変でも芝居がやれるなら」と約半年ぶりの再開に挑む。

 同団体は、会員からの会費を元に、近隣の鑑賞団体と共同してプロ劇団を招いている。この数カ月で会員約2600人のうち、約3割が退会した。自宅で高齢者を介護していたり、医療関係の仕事をしている会員も少なくない。「人が集まる劇場へは行けない」という理由が多くを占めた。

 団体の運営も厳しいが、劇団の灯を絶やせば次世代の役者や裏方が育たず、演劇再興の道は遠のく。4月と6月に公演するはずだった二つの劇団には上演料の半額を支払った。今田事務局長は「文化を未来へつなげていくことが大切。地方からも日本の演劇界を支えていく」と力を込める。

 「キネマの神様」は、映画を通して家族が再生する人間ドラマ。今田事務局長は「人と人とのつながりを描いた勇気が湧く舞台。今、この芝居をみんなで見られることがうれしい」とかみしめる。

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