歌人の与謝野晶子に〈髪に挿せばかくやくと射る夏の日や王者の花のこがねひぐるま〉という一首がある。ひぐるまはヒマワリの別名。種は食用や油にもなり、ロシアの国花でもある◆きのう、佐賀市兵庫町のひょうたん島公園近くのヒマワリ園に立ち寄った。高さ1メートルほどの大輪が群生して咲き誇り、多くの家族連れでにぎわっていた。陽光を真っ向から受け止める気高い美しさは、確かに「王者の花」と呼ぶにふさわしい◆それにしても暑い。気象エッセイストの倉嶋厚さんによると、日本には夏が三つあるという。第1の夏は5月の初夏。第2の夏は梅雨。そして三つ目の夏が梅雨明け後の盛夏だ。長梅雨が明けた今は第3の夏。待ち望んでいたはずなのに、容赦ない日差しの強さが恨めしい。つくづく人は身勝手である◆自然を変えられない以上、人が自然に合わせるしかない。暑さに負けない体力が大切だ。立秋前の18日間にある「土用の丑(うし)の日」が今夏は2回あり、きょう2日が「二の丑」。ウナギに限らず「う」のつく食べ物ならよいという。でも、ウナギに劣らず牛、馬の肉も高級だ。いろいろ考え、「梅干しうどん」を思いついた◆明治の文豪幸田露伴は「食べ物というものは、うまいと思って食べれば栄養になる」と語る。何より大切なのは、うまいと感謝して食べる心だろう。(義)

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