黒岩前田遺跡の4号住居跡から出土した土器や粘土塊など=唐津市菜畑の「末盧館」

唐津市相知町の黒岩前田遺跡(中央手前)=唐津市教委提供

 佐賀県唐津市教育委員会は31日、相知町黒岩の黒岩前田遺跡の発掘調査で、住居跡から土器類や粘土塊などが出土したと発表した。土器と粘土塊は成分が類似しており、粘土塊は土器の材料である可能性が高いと分かった。市教委は「古墳時代前期のこのような出土例は佐賀県内で初めてで、九州でも類例がない」と話す。

 2018年7月から19年3月まで、圃場整備に伴い発掘調査が行われ、1700~2千年前の古墳時代前期中ごろから弥生時代後期の集落遺跡が見つかった。遺跡から6軒の竪穴式住居跡、倉庫跡3棟以上、溝跡5条以上を確認した。

 古墳時代前期中ごろの4号住居跡から状態のいい土器が多く出土した。跡地の一角からは意図的に縁や底を割った鉢類、近くに粘土塊、土器を砕いた赤色細片が出土した。住居内で土器を製作した可能性が高く、民間の分析会社が土器類と粘土塊を調査したところ、花こう岩、石英、長石などの成分が類似していた。

 市教委生涯学習文化財課の立谷聡明さんは「古墳時代前期の集落遺跡の発見は市内ではまれで、土器製作の工程を示す痕跡も貴重」と話している。

 市教委は8月4日から11月23日まで、発掘成果展を菜畑の末盧館で開く(月曜休館、月曜が祝日の場合は翌日休館)。入館料大人210円、小中学生100円。(成富禎倫)

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