使用済み核燃料を再処理する日本原燃の工場(青森県六ケ所村)が29日、原子力規制委員会の審査に正式に合格した。九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)が立地する県内では、国策の核燃料サイクルの前進に期待する一方、政策そのものの行き詰まりを指摘する声も上がった。

 玄海原発からの使用済み核燃料の搬出は、2015年8月が最後。貯蔵容量3278体に対し、使用済み核燃料と再利用予定の核燃料は2348体と、プールの約7割は埋まっている。

 長期貯蔵が懸念される中での合格に、東松浦郡玄海町の脇山伸太郎町長は「少し安心した。安心安全を確保した上で稼働してほしい」と話した。山口祥義知事は「搬出先は大事で、順調に進めてもらいたい」と注視する構えを見せた。

 九電は「大きな節目で大変意義深い」と歓迎し、「原子燃料サイクルは極めて重要で、引き続き日本原燃を全面的に支援する」とコメントした。

 ただ、核燃料サイクルの中核だった高速増殖炉は、原型炉もんじゅ(福井県)が廃炉。再処理後のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマルの導入は、玄海原発3号機を含め全国4基にとどまる。使用済みMOX燃料の行き先が決まっていない課題もある。

 「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表(69)は「プルサーマルで使うとしてもその場しのぎ。核燃料サイクルは頓挫している」と再処理工場の意義に疑問を呈した。

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