大麻の成分を濃縮して液状化し、電子たばこのような喫煙具で吸引できる「大麻リキッド」の密輸や摘発が目立ち始めている。最近はプロ野球選手が逮捕されるなど全国的に広がっており、佐賀県内でも5月下旬に20代の男が摘発された。県警は「過去2年間では摘発の記録はない。若い世代を中心に最近はやり始めている」と警戒している。

 大麻リキッドは、幻覚作用を引き起こす有害物質を濃縮して液状化したもので、乾燥大麻より危険性が高いとされる。財務省関税局調査課によると、電子たばこで使用するカートリッジ状が多いという。海外では大麻の使用が合法の国もあり、同課は「リキッドを含めて密輸は年々増えているように感じる。製品の形状などから、抵抗感が薄いことが背景にあるのではないか」と推測する。

 7月上旬には、プロ野球ロッテに投手として所属し、広島でも優勝に貢献した米国籍のジャクソン・ジュニア・ランディー容疑者が、大麻リキッドを所持したとして逮捕された。

 県内では5月21日、鳥栖署が大麻リキッドを譲渡したとして、福岡県久留米市の飲食店従業員の20代男を逮捕。この男から大麻リキッドを譲り受けて所持していた別の20代男の裁判では、佐賀地検の検察官が「大麻リキッドの流通が社会問題化している」と厳しく指摘した。

 大麻関係の摘発者は比較的若い世代が多く、2019年は県内22人のうち、20代が12人(54・5%)、30代が6人(27・3%)で、合わせて全体の8割以上を占める。今年6月までの摘発人数16人中、30代までが14人(87・5%)となっている。

 大麻リキッドは、電子たばこで簡単に吸引できるなど覚醒剤を使用するよりも手間が掛からず、SNSのやり取りなどで比較的容易に入手できるという。22日の県警定例会見で、井手栄治刑事部長は大麻事犯が若年化していることに触れ「大麻は金額が安く、身近に手を出しやすいことが、動機の一つになっているのではないか」と述べた。

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