営業時間外に「子どもの居場所」として店舗スペースを開放している覆面レスラー、タコス・キッドの那須義文さん=基山町の「TACOS☆KID」

 基山町の飲食店「TACOS☆KID(タコス キッド)」を営む現役の覆面レスラー、タコス・キッドの那須義文さん(43)=太宰府市在住=らが、営業時間外の店舗を一人親家庭の子どもの居場所として開放している。ボランティア仲間とともに食事を提供し、遊び相手になるなどして、子どもの預け先に困っている保護者を支えている。

 「子どもの居場所」は、福岡県で薬局を経営する下楠薗康司さん(38)=鳥栖市=の呼び掛けで実現。自身も一人親として子どもを育てる下楠薗さんが、基山町内で子どもの預かりスペース作りに取り組む中で、ボランティア仲間だった那須さんに協力を持ち掛け、昼間は飲食店、夕方は子どもの居場所として活用することになった。

 タコスなどの料理を提供する店舗は、火・水・木曜日の午前10時~午後5時に営業。閉店している月、水、金曜日の午後5時半から午後8時までを、子どもの居場所として開放している。10~15人ほどの小中学生が利用しており、下楠薗さんら5人のボランティアが子どもたちと一緒にご飯を食べたり、宿題やゲームをしたりして過ごしている。

 子どもたちからは「家にいてもお母さんは帰りが遅いし、ご飯を食べられない時もある」「ここにいるほうが楽しい」との声も聞かれ、迎えにきた保護者が一緒に夕飯を食べて帰宅する姿もみられる。頼る親族がいない保護者からは感謝の声が届いているという。

 提供する食事の食材は、地域や保護者、活動に賛同する支援者からお米や野菜、お菓子などの差し入れやスタッフの実費で賄っているという。

 「子ども食堂」などの取り組みが全国に広がっているが、「月に1回など定期的なものが多い。子どもたちにとって日々の食事は命につながる」と、下楠薗さんと那須さんは子どもたちに寄り添った支援が広がってほしいとの思いを抱いている。

 「長く続けなければ本当に支援が必要な子どもには届かない。いろんな人の協力で子どもや親が幸せな時間を過ごせる場所と仕組み作りを広めたい」と下楠薗さん。那須さんも覆面姿で子どもたちを見守る。

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