一人芝居「黒い雨」を上演した奈良岡朋子さん(他会場での公演の様子、提供写真)

 俳優・奈良岡朋子さん(90)の一人芝居「黒い雨」が23日、佐賀市天神のアバンセで上演された。75年前に広島で起こった原爆の悲劇を描き、観客らが息をのんで見守った。

 広島出身の小説家・井伏鱒二の同名小説が原作。被爆を理由に縁談を断られ、視力の低下や脱毛などの原爆症を発症した主人公・矢須子を軸に、悲劇に見舞われながらも日常を歩む家族の姿を描く。奈良岡さんの力強い演技が、観客を物語の世界に引き込んだ。

 母の勧めで観劇したという佐賀市の小野つくしさん(19)は「戦争を体験したことがないので、知りたいと思って来た。想像がつかないことばかりだったが、最後に主人公が苦しみの中でも家族に感謝をしていたのが印象的だった」と話していた。

 演劇鑑賞団体の佐賀市民劇場がつくる実行委員会「2020年夏の会」と、劇団民藝が主催した。舞台は動画投稿サイトで生中継され、約500人が視聴した。10月には英語の字幕を付け、海外向けにも配信する。

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