金子剛さん「裸の子ども」(1962年、油彩・60号)

金子剛さん「自画像」(1962年、油彩・15号)

金子剛さん「凧あげ」(第75回東光展森田賞、油彩・F100号)

金子剛さん

池田学さん「Flower01」(水彩、インク、色鉛筆・20・3センチ×22・2センチ)

ミヤザキケンスケさん「SUMO Festival」(180・2センチ×360・2センチ)

鈴田滋人さん「木版摺更紗着物・樹映」

金子照之さん「Quantum dripping」(CG・600センチ×100センチ)

森永昌樹さん「morinagawork」(インスタレーション)

 新型コロナウイルスの影響で延期となった展覧会をウェブで再現する「Web展覧会」。第6弾は今月、佐賀市の佐賀大学美術館で開かれる予定だった「金子剛と三十人展」です。

 東光会佐賀支部「緑光会」を率いてきた画家金子剛さん(81)=佐賀市=は、佐賀の美術シーンをリードするとともに、世界的な評価を受ける池田学さんをはじめとする後進の育成にも力を尽くしてきました。

 金子さんの傘寿を記念する本展は、ゆかりの作家30人が参加しています。現在、延期を受けて「ウェブ版」として、インターネット上で金子さんの代表作と30人の作品が公開されています。金子さんと画家らが華やかに競演するウェブ展覧会から、作品の一部を紹介します。

 

「仲間と一緒、にぎやかに」 金子さん

 傘寿記念として個展を静かに開くつもりでしたが、教え子たちが展覧会を企画してくれました。仲間たちとこうしてにぎやかに作品展を開けるのは本当にありがたく、私は幸せ者です。

 教師時代、「おいも描くけん、絵を描き続けなさい」と厳しく指導してきました。今は逆に教え子たちから「まだ描かんば」と励まされているようです(笑)。もうひと踏ん張りしようと思っています。

 

■金子さんの略歴

1939年 鹿島市生まれ

1955年 鹿島高校入学。故岩永京吉さんに指導を受ける

1958年 佐賀大特設美術科入学。故石本秀雄さんに師事

1962年 東光展東光賞受賞。日展初入選

1963年 嬉野商高に美術教諭として赴任

1972年 小城高赴任

1986年 佐賀北高赴任

2000年 定年退職

2006年 佐賀県芸術文化賞受賞

2009年 「凧あげ」で東光展森田賞受賞

2013年 県政功労者知事表彰

2016年 地域文化功労者文部科学大臣賞受賞

2017年 東光展文部科学大臣賞受賞

      佐賀新聞文化賞特別賞(芸術部門)受賞

 

【寄稿】歩き始めることはできる

展覧会企画責任者・事務局 平江潔さん

 本来なら7月3日は、高校時代からの恩師、金子剛先生の80歳(傘寿)を祝う展覧会の初日でした。しかし、新型コロナウイルス感染症への配慮から、延期を余儀なくされました。

 幸いにも「金子剛と三十人展」は、中止ではなく延期です。いつ、実現できるのかはいまだわかりませんが、私たちはここであきらめずに再び歩き始める道を選択しました。そして、その決意の一端として、インターネット上での展覧会「WEB版金子剛と三十人展」をスタートさせました。作品の大きさや本質は伝わりにくいと思いますが、本展が開催されるまで、多くの方々にぜひご覧いただきたいと思います。

 何かを成し遂げる時、必ず困難や障害にぶつかるものです。先が見えない、これ以上は続けられない、一人ではできない、とあきらめることも少なくありません。今回の展覧会延期も同様ですが、目標があること、そして同じ志の仲間がいることでネガティブさを裏返し、「たっぷりとした準備の時間を与えられたのだ」と発想を転換させます。

 本展では会場となる佐賀大学美術館全館をフル活用して、これまでだれも見たことのないような展覧会を実現させます。そのためにも出品作家個々の作品のクオリティーをさらに向上させ、表現活動の楽しさを多くの人に伝えるためのオプションや関連企画もよりパワーアップさせます。思いつく全てのことを「カタチ」にしていきます。

 私たちはずっと歩き続けることはできないかもしれません。しかし、悩み苦しんだり、時には立ち止まったりしながらも、また歩き始めることはできます。こんな時だからこそ、アートやものづくりのもつ力を信じて、今日も一歩前へ踏み出そうと思います。

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