佐賀県内の2019年の自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は17・5人(速報)で、2年連続で悪化したことが分かった。全国平均(15・7人)を上回ったのは2010年以来で、自殺者数も前年比16人増の141人だった。県は「過去10年間で2年連続の悪化は初めてで、重く受け止めている。今後は新型コロナウイルスの影響も注視し、対策に取り組みたい」としている。

 厚生労働省の人口動態統計(速報)によると、佐賀県内の19年の男性の自殺死亡率は26・4人、自殺者数101人で、女性は自殺死亡率9・4人、自殺者数40人だった。自殺死亡率は全国的に減少傾向だが、佐賀は2年連続で増加した。

 自殺の統計には2種類あり、自殺者の住所ベースでまとめた人口動態統計に対し、警察庁が発見地ベースで原因や動機を分析したものがある。

 警察庁統計によると、19年の佐賀県の自殺者数は149人だった。動機別(重複あり)では「健康問題」が81人で最も多く、「不詳」43人、「経済・生活問題」25人、「家庭問題」21人などとなっている。

 19年はコロナの影響を受けていない。感染が拡大し、緊急事態宣言が出された期間を含む今年1~6月について、佐賀県が警察庁の統計に基づいて調べたところ、県内の自殺者数は56人で、前年同期の91人より大幅に減っていた。

 コロナの影響で命や健康を守る意識が高まった可能性があるが、県障害福祉課は「今後は経済の悪化により、自殺のリスクが急増する可能性がある」と警戒する。6月15日からは県精神保健福祉センターにコロナ専用の心のケア電話相談窓口を開設した。「コロナに関する支援策が切れるころが心配だ。行政や医療、福祉の関係機関が連携し、総合的な対策を講じていきたい」としている。

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