コレラ対策に尽くして殉職した増田巡査を祭る増田神社=唐津市肥前町田野

2019年7月、地区をパレードした白馬に乗った増田巡査の山車=唐津市肥前町田野(提供)

 唐津市肥前町田野の高串地区にある増田神社は、125年前に地域に広がった伝染病コレラの対策に尽力し、殉職した増田敬太郎巡査(1869~95年)を祭っている。毎年7月下旬に例大祭を盛大に開いてきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止。26日に自治会長らで神事だけを執り行う。

 例大祭は自治会が開き、白馬に乗った増田巡査の山車のパレードや花火の打ち上げなどをしてきた。熊本県在住の遺族や警察関係者、地域住民など例年200人近くが参列する。今年はコロナ禍でメディアから取材の問い合わせが増えたと言い、自治会長の武田良徳さん(72)は「地域でつないできた例大祭で毎年にぎわう。中止は大変残念」と話す。

 県警は警察学校生たちが訪れる慰霊祭も今年は取りやめた。21日に杉内由美子本部長と福島寛人唐津署長らが、荼毘(だび)に付された高串港沖にある小松島を訪れて碑に献花した。杉内本部長は「勇敢で献身的な精神こそ、警察の原点。あるべき姿として引き継いでいきたい」と思いを新たにした。

 熊本県出身の増田巡査は1895(明治28)年7月に高串に赴任。患者宅を消毒するなど不眠不休で対策に当たり、その後に自身もコレラに感染。「高串のコレラは全部背負って行きます」と言い残し、着任してわずか4日目に25歳で亡くなった。

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