中村文造氏の寄贈により旧図書館正面脇に建碑されていた葛井連大成歌碑=基山町宮浦

 太宰(だざい)の帥(そつ)を務めた大伴旅人(おおとものたびと、665~731年)は730年11月、大納言に昇進して京に帰るが、この年の正月13日、旅人邸で開かれた「梅花の宴」に、旅人と親交のあった筑後守葛井連ふじいのむらじ大成おおなりは、大宰府官人32人の1人として、「梅の花 今盛りなり 思ふどち かざしにしてな 今盛りなり」を詠んでいる(『万葉集』巻5)。

 万葉集所載の大成の歌は、他に「城きの山道」(基山町、基山=404・5メートル=東方の鞍部を通る古道)を詠んだ歌(巻4)、遙かに海人の釣船を見て作れる歌(巻5)の2首がある。

 「令和」の新元号が、『万葉集』「梅花の宴」の序文を典拠とすることから、宴に招かれた32人に関心が集まる中、大成が「城の山道」を詠んだ歌碑は1982年、基山町宮浦の中村文造氏(故人)の寄贈により旧町立図書館正面脇に建碑されていた。現在は町中央公園内に移設されている。(地域リポーター・久保山正和=基山町小倉)

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