感染防止策として、宿泊客に検温をお願いする従業員=嬉野市の温泉旅館「大正屋」

 「予約状況はまだ芳しくなく、ありがたい」-。政府の観光支援事業「Go To トラベル」が始まった22日、佐賀県内の旅館関係者からは支援を歓迎する声が上がった。ただ、制度が二転三転していることもあり、「詳細な中身が末端まで来ていない」と戸惑いも。新型コロナウイルスの感染対策を徹底しつつ、期待と不安が入り交じる船出となった。 

 嬉野市嬉野町の温泉旅館「大正屋」。新型コロナの影響で4月20日から休業していたが、21日から約3カ月ぶりに営業を始めた。副社長の山口剛さんは「やっと再開できた」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、「しっかり対策をしているので安心して来てほしい」と力を込めた。

 この日は、県内や近県を中心に家族連れや女性グループなど27組が訪れた。嬉野市の独自キャンペーンの利用者が多かったが、うち数組が国の制度利用を理由に宿泊したという。

 マスクを着用した従業員がチェックインする宿泊客一人ずつを検温。持ち運べるペン形の消毒液を配布し、温泉入浴の人数も制限している。嬉野市を初めて訪れたという50代男性は「感染対策がしっかりしていて安心する」と話した。

 一方、制度の内容変更が続いたこともあり、佐賀市内の旅行代理店には「申し込んでいる旅行は対象になるのか」「還付の申し込み方法はどうすればいいのか」といった問い合わせがあった。担当者は「(内容が固まっておらず)うそをついてはいけないので…」と困惑する。

 別の旅行会社の社長は「割引価格の商品の販売が始まる27日以降に本格化するのではないか」とみて、商品開発を急ピッチで進めている。ただ、国の事業者向け説明会が九州で開かれるのは前日の26日。「もちろん参加するが、直前すぎる。きちんと決まってからGoサインを出してほしかった」と苦言を呈した。

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