「コロナ後の佐賀県経済」をテーマに講演した日本銀行佐賀事務所長の蔵本雅史氏=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

 佐賀政経懇話会(佐賀新聞社主催)が21日、佐賀市のホテルニューオータニ佐賀で開かれ、日本銀行佐賀事務所長の蔵本雅史氏が「コロナ後の佐賀県経済」をテーマに講演した。新型コロナウイルスの影響で廃業を選ぶ事業所が増える懸念があるとし、起業支援や第三者による事業承継、IT企業の誘致などの手だてが必要と述べた。

 蔵本氏は県内経済への新型コロナの影響について「全国と同様に極めて厳しい状況だが、インバウンドや自動車関連産業など特定の業種への依存度が全国に比べて小さく、悪化の度合いも小さい」と話した。

 厳しい中にも、SAGAサンライズパークアリーナの新設や有明海沿岸道路の延伸、六角川の改修工事など、公共工事が例年になく多いことで「景気を下支えするのでは」と分析した。雇用者の所得が3カ月連続で前年比マイナスになっている点には懸念を示しつつ、設備投資が前年並みの水準を維持していることなどから「県内景気も徐々に持ち直す」とした。

 課題としては、高齢で後継者のいない中小・零細の事業者が「借金をしてまで続けない」と廃業を選ぶケースが増え、事業所数が減ることを挙げた。解決策の一つとして、コロナ禍でも成長が見込めるIT企業の誘致を提案し「県内は企業経営のデジタル化が進んでいない。その部分で協力し、仕事をつくってあげれば、IT企業が増えるのでは」と話した。

 蔵本氏は22日に唐津政経懇話会(唐津市の唐津シーサイドホテル)、29日に佐賀西部政経セミナー(武雄市の武雄温泉ハイツ)でも講演する。一般も受講でき、聴講料は5千円。

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