改装したショールーム。使っている場面を想像しながら選べる「生活提案型」が特徴=有田町のアリタセラ

「植栽にも用途を広げ器を使って」と言葉で説明するのではなく、実際に空間に置き見てもらうことを大切にしている

台所をイメージした空間。将来ほしい商品の相談をする来店者の姿もある

ショールームの改装に携わってきた百田大成さん

 佐賀県西松浦郡有田町の陶磁器商社・百田陶園(百田憲由社長)は、有田焼専門店が軒を連ねる「アリタセラ」(有田焼卸団地)のショールームを改装した。300平方メートルを超える広さで、カフェのようにもモデルルームのようにも見える空間。使っている場面を想像しやすくした「生活提案型」がキーワードで、新たなアプローチで有田焼がある暮らしを勧めている。

 若手や海外のデザイナーらと手を組み立ち上げたオリジナルブランド「1616/arita japan」を専門に扱う。日本、フランス、オランダ3人のデザイナーが手掛ける全150アイテムを揃える。

 洗練されたシンプルなデザインで多様な食生活に対応する「スタンダード」シリーズを手掛けるデザイナー、柳原照弘氏と百田社長が長年温めたショールームの構想が形になった。キッチン、リビング、バスルームに至るまで、さまざまな空間を設定。たくさんの商品を重ねて紹介するスタイルではなく、あえて点数を絞り、生活空間で使っている姿が想像できるよう配置した。つながりのあるデンマークの家具も置き、購入もできる。

 空間作りも「本物」にこだわり、壁や天井は自然素材を使う塗り壁。武雄市北方町の田崎左官(田崎龍司代表)が担った。

 リニューアルオープン後は、その居心地の良さから滞在時間が従来の平均30分から1時間ほどに延びたという。イタリアのラ・マルゾッコ社のエスプレッソマシーンで入れるコーヒーも販売、店内の椅子でゆっくり味わいながら「本当にほしい1点」を考える時間も提供している。

 改装に携わってきた百田大成さん(21)は「新型コロナウイルスで自宅での生活をより豊かにという傾向を強く感じる。良い物を求める時代が確実に来ている」とし、「新たな場所に足を運んでいただけたら」と話す。

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