子ども新聞では、家がつらいという子どもの思いと、助けの求め方について触れました。自宅がつらい、コワいなど、家庭が居場所にならない子どもたちがいます。

 親との確執は思春期における成長の過程でもありますが、家がつらいと思うのにはいろいろなケースがあります。

 子どもも外(学校)では頑張って振る舞わねばならず、家ではリラックスしたいのに、帰宅しても「早く」「しっかり」という圧で気が休まらないことがありがちです。また、家の人に信じてもらえない、話を聴いてもらえない状態もつらいもので解決が必要です。

 しかしながら、虐待の影響下にある子どもたちが感じる自宅のつらさは計り知れません。殴る蹴るの身体的な虐待だけでなく、言葉によるもの、強い支配下に置かれる、食事が得られない、性的な虐待など。外からはわかりにくく、子ども自身も他の家庭と直接比較できず、自分が虐待下にあることに気づけない場合もあります。性的虐待、性暴力に関しては性教育の不備により、それが性被害であると認知すること自体が難しいのです。このような環境下にある子どもにとって、学校の長期休みは地獄になり得ます。

 最初から親を嫌う子どもはいません。子どもたちは、保護者からひどい目にあわされるのは自分に非があるためのしつけと考えます。また、助けを求めると親がとがめられ、自分や他の家族も居場所を失うと考えて我慢する子もいます。既に家庭内に暴力的な支配構造がある(DV)場合、助けを求めることも難しいでしょう。

 児童虐待にはDVや依存症、経済的事情、保護者に対する極度のストレスや悩みなど、虐待に至る手前側に原因がある場合が多く、当事者だけを責めても解決しません。私たち周囲や社会には「家庭の孤立を見逃さず見捨てない姿勢と努力」が必要です。

 直接的な暴力でなくとも虐待は子どもの命に関わります。虐待が疑われる子や家庭に気付いたら、叱責よりもまず声を掛けるべきですが、ちゅうちょするよりすぐに児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に電話しましょう。近くの児童相談所につながります。通告・相談の秘密は守られます。子どもや保護者からの相談も189へ。(浄土真宗本願寺派僧侶・日本思春期学会理事 古川潤哉)

 

 古川さんのコラムは、本日の別刷り「子ども佐賀新聞」11面に掲載しています。

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