これ以上の先送りは許されない。

 立憲民主党が国民民主党に対して、両党が解散して新党を結成する合流案を提案し、国民側の対応が焦点となっている。

 国民の玉木雄一郎代表は、提案された合流方式については賛成したものの「立憲民主党」という新党の名称案に異を唱え、民主的手続きで決めるべきだと主張している。

 立民側は党名は堅持する方針で、協議は壁にぶつかった格好だ。そもそも国民内部は合流自体を巡り慎重派と推進派に割れており、完全に意思を統一するのは難しい状況だ。

 しかし、野党が分立した「多弱」状態のまま、年内にもあり得るとの見方も出ている次期衆院選を迎えてしまえば、これまで通り、与党を利することになる。それは権力の過集中と超長期化で緊張感を失い、弛緩(しかん)した政権運営を続けさせることを意味する。

 野党第1党と第2党の日本政治の将来に対する責任は大きい。ここで合流に踏み切るのか、それとも断念し、次善の策として緊密な選挙協力による「政党連合」を構築する方向にかじを切るのか、一刻も早く結論を出すべきだ。

 合流を提案した翌日、立民の枝野幸男代表は記者会見で「政党の体制整備に時間をかけている余裕はない。一日も早く結論を得ることが必要だ。多くの皆さんに賛同いただけることを期待したい」と述べた。

 来年10月の衆院議員の任期満了まで1年余りとなる中、取り沙汰される衆院解散を強く意識、玉木氏に分裂覚悟で合流に踏み切るよう求めた発言だ。

 これに対して玉木氏は両党が解党して新党を結成する「新設合併方式」と、結党大会で代表選を行うとの提案には「賛成する」と表明したが、新党の名称案は受け入れなかった。

 枝野氏が玉木氏に合流を提案したのは昨年12月だ。立民の福山哲郎、国民の平野博文両幹事長が協議を始めたが、今年1月の通常国会召集までに決着せず、合流した会派の維持にとどめて、水面下で交渉を続けていた。

 国民側が受け入れず、懸案となっていたのが、合流方式と新党名。枝野氏は合流協議で、存続政党や党名を「立憲民主党」としていた。国民側にしてみれば自分たちが吸収されることになるため、玉木氏らが対等合併を求めていた。

 今回は、立民も解散することとし、合流後の通称・略称は「民主党」とした。枝野氏側は「最終提案」としており、国民側が受け入れなければ、決裂となる。

 野党では、昨年の参院選で東京選挙区から当選者を出し、首都圏に拠点を築いた日本維新の会、比例代表で228万票を集めて2議席を獲得したれいわ新選組が存在感を増している。今月初めの東京都知事選で、維新推薦の元熊本県副知事、れいわ公認の山本太郎代表はともに参院選東京選挙区で両党がそれぞれ獲得した票数を上回った。

 立民、国民が合流も選挙協力もしなければ野党陣営は四分五裂状態だ。候補者調整と相互支援で緊密な選挙協力体制を20年も続ける自民、公明両党を相手にどう戦うつもりなのか。

 合流協議に決着をつけて、維新やれいわなどとの連携の可否を判断する次の局面に早急に移るべきだ。(共同通信・柿崎明二)

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