3密を避けるため、宿泊人数が増えた場合は換気扇を備えた大広間で朝食を提供するという「洋々閣」の大河内正康社長=唐津市の同旅館

 新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた観光業を支援する政府の事業「Go To トラベル」。感染の再拡大を懸念する声が上がる中、赤羽一嘉国土交通相は16日、東京発着の旅行を割引対象外にすると表明し、分科会で了承された。佐賀県内ではキャンセルが相次ぐ旅館も出ているが、22日からの事業開始に向けて感染防止対策を徹底。業界からは地域経済再生を期待する声も上がる。

 唐津市の老舗旅館「洋々閣」。16日夕、東京を割引対象から外すニュースが流れた約10分後、宿泊客からキャンセルの連絡があった。事業への賛否が広がる中で、前日から5、6件のキャンセルが入ったが、大河内正康社長は「感染拡大を心配する意見は当然ある。政府の方針に従うしかない」と理解を示した。

 同旅館では、フロントにアクリル板を設置するほか、宿泊人数が増えた場合には六つの換気扇を備えた大広間で朝食を提供するなど、感染防止対策を徹底する。「お客さまを守るのも仕事。快適に宿泊してもらう責任がある」と大河内社長。「クラスターを出さないために、できる対策をしっかり取って、お客さまを迎えたい」と話した。

 県内外から事業の問い合わせを受けていた嬉野温泉観光協会の池田榮一会長は、今回の政府の方針を「折衷案」と受け止める。事業実施について「新型コロナと共存しながら経済を回す策として、客足の回復の弾みになる」と期待する。

 旅行客の動向の見通しについて、佐賀市の旅行代理店の担当者は「移動中の感染リスクを負ってまで、遠方まで旅行するのは考えにくい。車で移動できる県内や隣県が多くなるのでは」とみている。

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