絵図など40点の資料で水との共生を考える企画展「武雄の災害と治水」=武雄市図書館・歴史資料館

利水を巡って武雄鍋島家と蓮池藩の間で取り交わされた証文を書き写した板額「約定證文板額」

 200年前の大水害から、昨夏の佐賀豪雨まで、武雄の水に関する資料を集めた企画展「水とともに生きる-武雄の災害と治水」が、武雄市図書館・歴史資料館で開かれている。水害を記した古文書や近年の浸水被害の写真など約40点の資料で「水との共生を考えるきっかけに」と訴えている。8月16日まで。

 佐賀豪雨での甚大な浸水被害を契機に、地元の災害の歴史や先人の治水の知恵に目を向けようと企画。昔の水害や江戸時代の治水、災厄への祈り、現代の災害の4コーナーがある。

 昔の水害では、文政11(1828)年に九州北部を襲った「子年の大風」(シーボルト台風)で、佐賀藩では5万5千戸が全半壊し、死者・負傷者が8千人に上ったことを紹介。有田の旧家・正司家の永代帳や「(九州大変)前代未聞実録記」を展示し、有田町の皿山が「一面火の煙になった」ことや、北方町で「数知れず家屋が倒壊し、死人も数を数え難し」と記載していることを説明している。

 江戸時代の治水事業では、橘町の潮見川の水位を深くして貯水機能を持たせ、1200石の増収につなげた成富兵庫茂安の功績や、蓮池藩と武雄鍋島家の間に入って橘町大日地区に水を導いた前田伸右衛門(のぶえもん)の利水事業に着目。利水を約束した証文とそれを書いた板額、前田の肖像などを展示している。山内町の井堰「僧正井手」、北方町の永池ため池や焼米ため池などの利水事業も紹介している。

 近年の災害を伝えるコーナーでは1980年、90年、2006年、07年、09年の洪水の写真や、1990年の豪雨被害を「市はじまって以来の大水害」と伝える市報などを展示。昨夏の佐賀豪雨も写真や浸水被害の地図、新聞記事などで詳報している。治水や減災の取り組みを紹介するパネルもある。

 展示を企画した古川総一学芸員は「水に対する工夫の歴史や近年の水害について知ってもらい、今後の水害に向き合う第一歩にしてもらえれば」と来場を呼び掛ける。25日と8月2日午後2時からはギャラリートークもある。

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