九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)を巡り、佐賀県は15日、国土交通省から提案された複数の整備方式に対応する環境影響評価(アセスメント)に、改めて同意できないと回答した。武雄温泉-長崎間の暫定開業後、切れ目なく2023年度にフル規格で着工することが事実上できなくなり、財源確保も極めて困難になることを意味する。

 県庁で南里隆地域交流部長と国交省の足立基成幹線鉄道課長が、整備方式に関する「幅広い協議」の中で議論した。足立課長は「再考していただけるなら、7月末まで待ちたい」と県に翻意を促した。

 提案によると、法令上アセスが必要な整備方式は、新たな線路敷設が欠かせないフル規格とミニ新幹線の二つ。在来線を活用するスーパー特急とフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)は法令上必要ないが、環境への影響に配慮して自主的に実施する。リレー(対面乗り換え)方式には必要ない。

 足立課長は「アセスに要する2~3年の間、腰を据えた議論を可能とし、どの整備方式に決まっても速やかに実現できる」と趣旨を説明した。

 県は国交省から提案された6月16日にも固辞しており、南里部長は「フル、ミニには合意しておらず、こちらから求めてもいない。事業実施が前提のアセスに同意するのはあり得ない」と改めて拒んだ。

 足立課長は22年度の暫定開業後、切れ目なく23年度に新鳥栖-武雄温泉間を着工し、北陸新幹線と併せた財源確保の議論に遅れないためには「逆算して8月からアセスの手続きに入らなければ間に合わない」と理解を求めたが、南里部長は「財源の問題は、協議の結果を受けて国が責任を持って対応すべき」とした。

九州新幹線長崎ルートの「幅広い協議」終え会見(2020年7月15日)
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