自殺した元財務省近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻雅子さんの意見陳述の要旨は、次の通り。

 夫は決裁文書の改ざんを悔やみ、自ら人生の終止符を打ちました。私は死後2年経過し、やっと遺書や手記を公表しました。そして自ら命を絶った原因と経緯を明らかにし、夫と同じように国家公務員が死に追い詰められることがないようにするため、事実を公的な場所で説明したかったという夫の遺志を継ぐため、国と佐川さんを訴えるところまで進みました。

 夫は「私の雇い主は日本国民」と生前知人に話していたほど仕事に誇りを持っていました。その夫が決裁文書の書き換えという犯罪を強制されたのです。手記には、改ざん指示に「抵抗した」とあります。心の痛みはどれだけのものだったでしょうか。誇りを失ったでしょうし、強い自責の念に襲われたと思います。

 夫は手記や遺書に「責任をどう取るか、ずっと考えてきました。今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした」と書いています。夫は、改ざんで罪を犯したのだと受け止め、国民の皆さんに死んでおわびすることにしたんだと思います。

 国は、夫の自死の真相が知りたいという私の思いを裏切り続けてきました。財務省の調査報告書には、誰のどのような指示で改ざんを強制されたのか記されていません。夫が自死したことすら記載されていません。

 私は真相を明らかにするため第三者委員会による再調査を求める電子署名を始め、35万人を超える賛同を頂きました。しかし安倍首相も、麻生大臣も、既に検察の捜査も済んでいるので調査しないと夫のことを切り捨てました。国は再調査を実施し、正直に全て明らかにしてください。

 安倍首相は2017年2月17日の国会で、安倍首相や安倍昭恵さんが森友学園の国有地払い下げに関わっていたら総理大臣も国会議員も辞めると発言しました。

 安倍首相は発言と改ざんには関係があることを認め、真相解明に協力してほしいと思います。

 佐川さんをはじめとする理財局幹部や近畿財務局幹部の人たちも、事実をありのままに話してほしいと思います。

 安倍首相、麻生大臣、私は真実が知りたいです。

 夫は亡くなった日の朝、私に「ありがとう」と言ってくれました。夫の顔は絶望に満ちあふれ、泣いているように見えました。

 最後に、裁判官の皆様にお願いがあります。ぜひとも夫が自ら命を絶った原因と経緯が明らかになるように訴訟を進めてください。できるだけたくさんの資料を集め、尋問を行い事実を明らかにしてください。その上で、公正な判決を下してください。【共同】

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