水に漬かったモーター部分を指さす實松英樹代表。機械の扉部分には水に漬かった水位がはっきり見える=神埼市千代田町柳島の「ミマツ工芸」

 佐賀県内で連日降り続いた大雨で、家具部品製造や装飾加工を手掛ける神埼市千代田町の「ミマツ工芸」(實松英樹代表)も、浸水被害に遭った。7日から8日にかけ、工場内の機械のほとんどが水に漬かり、1週間が経過した今も本格稼働のめどは立っていない。

 「繊細な仕事で付加価値を高めてきた。以前のように、機械が細かく動いてくれるかどうか…」。ミマツ工芸の工場では14日、分解して乾かしていた機械の部品を組み立て、動作を確認する作業に追われた。

 同社は、家具の部品製造だけでなく、デザイン性と機能性を追求した卓上小物などを扱う。県内で降り続いていた大雨で、神埼市は7日から8日にかけて184ミリを記録。近くの水路があふれ、工場は8日朝には膝上まで水に漬かった。

 工場には、木材に文字などを焼き入れるレーザー機や細かい加工を行う機械など、50台近くが並ぶ。このうちの9割以上が水に漬かり「全て新品で買い直すと約2億円に上る」という。

 機械だけでなく、材料の材木や製造途中の製品、完成品も被害を受けた。乾かしても変形するため、売り物にはならない。加工を頼まれて預かっていた材木は弁償になる。

 同社は新型コロナウイルスを受け、地元を重視する形で工場に併設するショールームの建設計画を早めた。その準備を進めていた矢先の被害に、實松代表は「何とも言いようがない。工場の稼働が優先になる」と話す。

 優先度が高い機械から修理を進めているが、14日までに稼働できたものは6、7台だけ。従来通りの稼働の見通しは立っておらず「保険頼みになるだろうが、まずは機械の不具合の有無を特定しないと申請できない。時間もお金もかかる」と肩を落とした。

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