SSP杯に向けて懸命に部活動に励む早稲田佐賀の野球部員たち=唐津市の早稲田佐賀高グラウンド

部員のために思い出を残したいと、2年のマネジャーの福士和花さんが作った新聞

 全国高校野球選手権佐賀大会に代わる「SSP杯県高校スポーツ大会」野球競技が12日、開幕する。3年前の夏の覇者・早稲田佐賀は、臨時休校やテスト期間が重なった影響で、全体練習が再開できたのはわずか3週間前。限られた時間の中、急ピッチでチームを仕上げた。「自分たちの野球をするだけ」と鶴田真大主将。後悔しないよう、全力で最後の夏に挑む。

 唐津市東城内の同校グラウンド。放課後には野球部員たちの元気な声が飛び交う。この「日常」が戻ったのは最近になってからだ。

 新型コロナウイルスの影響で県内の公立学校は春以降に2度、臨時休校となり、部活動も自粛された。休校が明けて大半の学校は5月中旬から練習を再開したが、県外出身者も多い私立の早稲田佐賀は5月末まで休校を延長した。その後、すぐにテスト期間に。学年ごとには集まれたものの、全体練習が再開できたのは、他校から1カ月以上遅れた6月23日だった。

 休校期間中に、夏の甲子園の中止が決まった。今の3年生は、3年前に甲子園で早稲田佐賀が初めて戦う姿に憧れて入部した部員も多い。鶴田もその一人。「その場所(甲子園)に立つことだけを夢見て練習に励んできた」。ショックは大きかったが、「最後まで全力でやり遂げたい」。休校期間中もテレビ会議アプリを使い、部員たちは体幹トレーニングや素振りなど、オンラインで“合同練習”を続けてきた。

 マネジャーも後押しした。2年の福士和花さんは、少しでも部員の力になろうと、新聞部の友人に相談して、過去の試合写真や監督のメッセージなどが入った独自の新聞を作成した。福士さんは「納得して終わってほしい。自分たちらしく、思い切りプレーしてほしい」と願いを込める。

 開幕まで1週間となった今月4、5日、ナインは約8カ月ぶりとなる対外試合に臨んだ。実戦でしか感じられない課題を再確認した上で、12日の唐津工との初戦を迎える。古賀一則監督は「思うような練習はできていないが、今できるベストの状態にチームを仕上げたい」と話す。

 感染対策やけが防止などのために6月中の対外試合を禁止した学校の方針で、他の部活動はSSP杯出場がかなわなかった。鶴田は「再チャレンジすらできなかった部活動だってある。率先して前を向き、学校のために頑張りたい」と意気込む。

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