ある講演会を取材した時、印象に残った言葉がある。「まちづくりへの関わり方にはいくつか方法がある。理想は活動への参加。つまり、時間の提供。それが難しい場合は意見やアイデアを出す。つまり、知恵の提供。それも難しい人はお金を出す。つまり、資金の提供」。講師は「自分が住む町。どれか一つくらい提供しよう」と呼び掛けた◆地域活動はもちろん、PTAや子どもクラブなどの役回りにも今、なり手が少ないという。ほとんどは無償奉仕だからだろうか。一方で、嫌がらず、損得抜きで頑張ってくれる人がいる。さまざまなNPO活動もそうだ。こうした立派な行為は「奇特」とたたえられる。今は「風変わり」の意味で誤用されることがあり、注意したい◆豪雨被災地では復興に向けた動きが始まった。高齢者が多い山間地。困っている姿を放っておけないと、自発的にボランティアに駆けつける「奇特な人」たちがいる。大分県日田市には「スーパーボランティア」尾畠春夫さんの姿があった。頭が下がる◆だが、その活動を阻むように無情の雨が続く。今年の梅雨前線はいつまで居座るつもりなのか。被害の拡大が心配だ◆こんな時だからこそ支え合い、自分にできることはないかと考えたい。時間、知恵、資金。小さな「奇特」が集まれば、さらに住みよいまちになる。(義)

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