佐賀近代史研究会(会長・山本長次佐賀大学経済学部教授)が、佐賀新聞の記事をもとに1917(大正6)年の出来事を年表にした『佐賀近代史年表大正6年1月~大正6年12月』を刊行した。第1次世界大戦のさなか、ロシア革命が起こった激動の時代。県内では大隈重信(佐賀市出身)の最後の帰郷が報じられた。

 17年5月19日、大隈家の墓地改築移転のため帰郷した大隈。佐賀駅には数百人が出迎え、翌20日は松原神社や高伝寺などを参拝したことを紹介している。大隈は政府に登用されて以降、佐賀に帰ってきたのは3回だけ。これが最後の帰郷とされる。

 ロシア革命が起きた同年は、日本各地でストライキが急増。佐賀では7月、芳谷炭鉱(唐津市北波多)の鉱員3千人が賃上げを要求するなど、抗議活動が活発化した。

 10月に発布された「建物取締規則」では、佐賀市内の建物を15年以内にすべて瓦ぶきに改造することが計画された。景観向上への意識の芽生えもうかがえる。

 研究会は77年に発足。政治、経済、社会、教育・文化などの6分野に分けて当時の出来事を丹念に抽出している。

 年表の編集は、月ごとに会員で手分けして、読み進める地道な作業。会員らは「今はない地名、商品名なども多く、辞書を引いても分からない語句もあった」と振り返り、「興味深い記事が多くやりがいがある」と話す。

 ▼佐賀大学地域学歴史文化研究センター刊、A4判、165ページ。非売品。県内の図書館などに今後寄贈する。研究会の入会も募集中。問い合わせは同センター、電話0952(28)8378。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加