6日に近くの浜川からあふれた濁流に襲われた祐徳稲荷神社の門前商店街。後片付けに追われる店主ら=7日午前9時半ごろ、鹿島市古枝

多良川が越流して浸水した家から家具を運び出す住民ら=7日午後2時ごろ、藤津郡太良町多良の栄町地区

浸水した住宅から家具などを運び出す地元の消防団員ら=7日午後、藤津郡太良町多良

 佐賀県内は7日、大雨特別警報が発令された前日に続き、激しい雨が降った。鹿島市や藤津郡太良町では6日の被害の状況が次々と明らかになり、氾濫した河川の周辺では一時、家屋の浸水被害が広がり、高校生が連携して高齢者を救助する場面もあった。地域住民は降りやまない雨の中、協力して片付けを進めた。

 太良町栄町地区。6日、多良川の橋から越流した泥水が集落に流れ込んだ。多良橋のそばに住む田口和恵さん(78)は「大波を立てて川があふれてきた。50年近く住んで初めてのこと」。避難所から戻ると、家の中まで浸水し、泥の臭いが立ちこめていた。

 栄町の高校生、吉田昇平さん(17)は「腰くらいの高さまで漬かった」という。激しく雨が降っていた6日夕、近くの事業所2階に避難した。目の前で浸水して止まった車があり、仲間と一緒に運転席から高齢の男性を助け出した。

 雨が降る中、地域住民らは7日、総出で家から汚れた家具を運び出した。トラックで次々に集積場に運ばれ、消防団は運搬や放水で清掃に協力した。

 町によると、栄町を中心に古賀、畑田地区でも一部が浸水。町内8カ所で土砂崩れがあったが、被害の全容は把握できていない。

 鹿島市山浦の白鳥尾地区では民家の裏山が崩れ、土砂が家屋を押し流した。住人の夫婦は既に避難していて無事だった。近くに住む70代男性は住人の安否を心配したが「崩れる1時間前に避難していたと連絡が来た。本当に間一髪だった」と安堵した。

 鹿島市古枝では浜川があふれ、祐徳稲荷神社の門前商店街に濁流が押し寄せた。20軒の店舗が床下浸水し、店主らは7日、泥を必死にかき出した。土産品を売る「柳屋」店主の掛園ふみ子さん(60)は「大ごとになった。商店街が川のようで怖かった」と振り返る。陳列棚に並べた商品は無事だったが「新型コロナウイルスで売り上げが落ち込んでいるのに…。これから大変」とこぼした。

 浜川の下流域でも堤防を越え、南舟津地区などで浸水した。市内全域の被害は7日までに床上3軒、床下33軒で浸水、土砂崩れは40カ所を超えた。

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