昨夏ヒットした映画「天気の子」は離島から東京に家出してきた少年と、祈ることで一時的に「晴れ間」をつくる能力を持つ少女が主人公。少年は「晴れ女」を商売にすることを提案し、その商売は当たる◆そんな能力があれば便利だろう。花火や祭りなど屋外イベントは天気に大きく左右される◆明けない夜はない。やまない雨はない。そう信じながらも、本当にそうなのかと思わせる、この数日の雨天。昨年の佐賀豪雨に続き、県内に大雨特別警報が出された。自然は容赦ない。普段は穏やかな小川のせせらぎが岩をも砕くような激流に変わる◆「古代、人々はあらゆるものに精霊が宿り、自然界の全てが神のものと信じていた。雲の中に龍がすみ、雨を降らせ、雷を鳴らし、虹の形をして川の水を飲みにきていた」と、漢文学者の白川静さん。人知を結集しても、自然に打ち勝つことは難しい。天上の神がそう言っているように思える。日本は「水害列島」であることを再認識する必要があるだろう◆それでも、縁あって生まれ育った古里だ。時に試練を課すが、普段は恵みと安らぎを与えてくれる自然との共存に知恵を絞っていきたい。神様は本来、優しいと信じたいし、明るい日と書くから「あした」が待ち遠しいのである。晴れ女の少女と一緒に祈りたい。「あした天気になあれ」(義)

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