西多久町の生産者が作った女山大根。大きいものは10キロを超える=1月11日、西多久公民館

商標登録を喜ぶ多久市商工会の藤川範史会長(左から2人目)と幡船の里協議会の蒲原政信会長(同3人目)ら=市商工会

毎年1月初旬に開かれる女山大根の食事会。市外からも常連客が訪れる=西多久公民館

 多久市西多久町で古くから作られている「女山大根」が、商標登録された。類似品や粗悪品の流通を防いで地域ブランドを守るため、市商工会が町の直売所と協力して特許庁に申請していた。農家の高齢化などで栽培そのものの継承が課題になっており、関係者は登録を追い風に消費を増やし、1年を通して安定的に販売できるように加工品の開発も目指したいと話している。

 地域の特産品の保護を目的に、2006年に設けられた「地域団体商標制度」を使って申請した。地域名を冠した商品を登録するもので、佐賀県内では佐賀のりや小城羊羹(ようかん)などに続いて8件目になる。

 女山大根は一般的な青首大根よりも大きく、赤紫色の根が特徴。山に囲まれ、昼夜の気温差が大きい盆地で作るため、甘みも増すという。江戸時代の資料にも記録が残る伝統野菜で、おでんや漬物に使われている。

 1995年にできた町の直売所「幡船(ばんせん)の里」の目玉にしようと、直売所を営む農家たちが当時、わずかに作られていた女山大根の種を県の研究施設に持ち込んだ。交配や選抜を重ねて見つけた原種に近い種を使って、03年から栽培を始めた。

 現在は農家約30人が8月上旬に作付けし、12月から翌年2月にかけて10トン程度を出荷している。大きいものは長さ80センチ、重さは10キロ超にもなるため、収穫は多くの労力を要するという。

 登録を受け、生産者や商工会の代表者、市の担当者らが集まった会合では、生産や流通の課題、今後の展望を話し合った。「見た目が悪いと青果として売れないため、加工品の開発が必要」「地元の飲食店で名物料理を作れないか」といった意見が出された。

 今後も随時集まり、まずは地元での消費を増やし、農家の収入アップを目指す取り組みを考える。商工会の藤川範史会長は「今からがスタート。生産者と一緒に知恵を出し合って、地域の元気につなげたい」と話す。

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