社内コンテストで優勝したテーブルセッティング(手前)。「コンパクトさも見栄えもする」と近藤社長=西松浦郡有田町の藤正

 西松浦郡有田町の陶磁器商社、藤正(近藤孝次郎社長)は、旅館など宿泊施設の新型コロナウイルス対策として、料理を部屋に一度で運べるテーブルセッティングの提案を始めた。食事時の3密回避が求められる中、時世に即した器使いで低迷する焼き物需要の活路を見いだす。

 コロナ禍で、宿泊施設では接触を減らす取り組みが進む。朝食のバイキングをやめて1人分ずつ提供したり、夕食のコース料理を部屋に運ぶ回数が減らせる御膳スタイルに変えるなどの工夫がみられる。

 この動きを受け、同社は5月末、社内コンテストを開催。高級宿泊施設の夕食を想定し、ワゴン1台で2人分のコース料理を部屋に運ぶ設定で器選びなどを競った。角盆に器をバランス良く配した御膳や、運ぶ時はふたになる長方形の盆で衛生面も考えた提案などがあった。近藤社長(51)は「コンパクトでセンス良く提供できるアイデアが、思った以上に出た」と成果を語る。

 有田焼の主力の業務用食器は、宿泊施設、飲食店の利用減で売り上げが低迷しているが、「こうしたトータルの提案で需要を掘り起こしたい」と近藤社長。都道府県境をまたぐ移動自粛要請の解除で営業を再開しており、「販売先に提案したいとの声や、サンプルの依頼を受けた」(近藤社長)などと反応があるという。

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