祐徳稲荷神社そばの浜川(赤い欄干の下)からあふれる濁流。門前商店街が浸水した=6日午後、鹿島市古枝(読者提供)

 九州北部から対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に、温かく湿った空気が流れ込んだ影響で6日、佐賀県など九州北部を中心に猛烈な雨が降った。気象庁は午後4時半、佐賀県内の6市町と福岡、長崎県の自治体に大雨特別警報を発表した。嬉野市と杵島郡白石町の1万7525世帯4万8708人に避難指示が出された。

 佐賀県内に大雨特別警報が出されたのは昨年8月以来3度目で、今回の対象は佐賀、武雄、鹿島、嬉野の4市と杵島郡白石町、藤津郡太良町の2町。佐賀地方気象台などによると、6日午後4時までの24時間雨量は、佐賀空港247ミリ▽鳥栖市216・5ミリ▽佐賀市駅前中央185・5ミリ。鹿島市と嬉野市では午後3時半までの1時間にレーダーの解析で約110ミリの雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表した。有明海(大浦港)は午後3時59分が干潮だった。

 県は同日、災害警戒本部会議を開いた。藤津郡太良町の広域農道で土砂が崩落し、走行中のトラック1台が巻き込まれたが、40代男性運転手にけがはなかったことや、県管理5河川が氾濫危険水位に達して浜川(鹿島市)で越水を確認したことを報告した。

 鹿島市古枝の祐徳稲荷神社近くでは、午後3時半過ぎから川があふれたといい、約400メートルある門前商店街の半数ほどが床下浸水した。飲食店主の中村信介さん(62)は「一気に水が来て、1時間ほど膝下までつかった。店の中は泥だらけ。58年前に水が入った記憶はあるが、こんなにひどくなかった」と話した。

 県などによると、6日午後6時現在で県内全20市町が135カ所の避難所を設置し、このうち13市町の避難所に213世帯313人が避難している。国道や県道、高速道路の一部が通行止めになったほか、JR長崎線や筑肥線の一部区間で運転を見合わせるなど交通機関にも乱れが生じた。

 7日も交通機関に影響があり、JRの特急「かもめ」は始発から一部を除いて運休、特急「ハウステンボス」は始発から運休、特急「みどり」なども本数を減らす。松浦鉄道は始発から運転を見合わせ、西鉄高速バスは終日運休する。

 九州北部地方は7日も不安定な状態が続き、7日明け方から夜遅くにかけて断続的に激しい雨が降る見込み。佐賀地方気象台は7日午後6時までの24時間雨量を多いところで250~300ミリ、8日午後6時までの48時間の雨量は300~400ミリと予想している。

大雨で浜川が氾濫した祐徳稲荷神社付近(読者提供)

大雨で氾濫した祐徳稲荷神社前の浜川=読者提供(2020年7月6日)

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