自治体が備蓄するベビーフードや介護食品

 災害弱者向け食品の備蓄割合

 乳児や高齢者といった災害時に配慮が必要な人の食料となる粉ミルクやおかゆを備蓄する自治体が、県庁所在地など全国131市区町村の6割台にとどまることが30日、共同通信のアンケートで分かった。ベビーフードや、おかゆ以外の介護食品は1割に満たず、配慮が十分でない実態が明らかになった。

 東日本大震災や頻発する豪雨災害で避難生活の食事が課題となり、備えの重要性が高まっている。一方で、自治体はコスト面も考慮し、水でご飯ができるアルファ米など一般的な主食類を優先し、その他は民間からの融通に頼る傾向がある。食料事情に詳しい国立健康・栄養研究所の笠岡宜代・国際災害栄養研究室長は「配慮が必要な家庭は日頃から2週間分備えてほしい」としている。

 県庁所在地や政令指定都市、中核市の計84市区と、都道府県町村会の会長を出す47町村(いずれも3月末時点)に調査票を送り、1~3月に全ての自治体から回答を得た。

 全自治体が一般向け主食類を中心に何らかの食品を備えているとした一方で、乳児用粉ミルクを備蓄するのは66%の87自治体、おかゆは64%の85自治体にとどまった。乳児のかむ力に合わせたベビーフードは9%の12自治体、食材を細かくするなどした介護食品は6%の8自治体だった。

 粉ミルクやおかゆを備えていないとした自治体のうち、理由として最も多かったのは「民間業者などと協定を結び非常時に調達する」で34~36%だった。この仕組みは在庫管理の手間を省けるメリットがあるが、物流網が滞ると十分に機能しない可能性が指摘されている。次に多かったのは「家庭での備蓄を推奨」で、17~20%だった。

 「品目を増やせば購入や管理のコストがかさむ」「何をどの程度備えれば十分かが分からない」との意見もあった。

 粉ミルクは人口の多い84市区の82%が備蓄する一方、町村は38%と顕著な差が出た。その他の品目でも市区に比べ町村は備蓄割合が低く、小規模自治体ほど備えが求められる結果となった。

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