立石順子さん(右)、中嶋巧さん(右奥)の講話を聞く学生たち=鳥栖市西新町の緑生館

講和後、中嶋巧さんを囲んで話を聞く学生たち=鳥栖市西新町の緑生館

 鳥栖市の医療福祉専門学校「緑生館」の総合看護学科の4年生19人が6月25日、がん手術の経験者2人から体験談を聞いた。新型コロナの影響で病院実習ができず、生の声が聞けない中、がん患者の支援などを行うNPO法人「クレブスサポート」の協力で実現した。2人は看護師に救われた経験談も交えて話し、学生たちは真剣に聞き入った。

 病院実習は12日間を予定したが、機会がつくれず学内で実習してきた。ただ、学べば学ぶほど「生の声が聞きたい」という学生の思いは強くなったという。

 25年前に白血病の手術をした立石順子さん(63)=伊万里市=は、幼い子を持つ母として病気や手術と向き合った思いを話した。夜間の巡回で、若い看護師から小声で言われた「我慢しなくていいですよ。つらいときは言ってくださいね」が“魔法の言葉”になったといい、「私が眠れないでいることに気付き、それを医療チームで共有してくれていると知り、前向きになれた」と話した。

 46歳で直腸がんが見つかり、ストーマ(人工肛門)を造設した中嶋巧さん(69)=鳥栖市=は「看護師に笑顔を出してもらえたら、患者は本当に和む」と激励した。両親をがんで亡くした際は本人には告知をしない時代で、家族は気を遣ったが、自らは告知を受けて医師と信頼が生まれたという。ただ、もし家族ががんになったとして「余命は本人には言えないと思う」と難しさもにじませた。

 宮本ほづみさん(21)は「告知の問題は学生同士で難しいと話していた。告知された家族のケアも大事だと感じた」、大渡愛舞(らぶ)さん(21)は「小さな声掛けで患者さんを救うことができるのだと思った」と話した。

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