30日で終了するポイント還元制度。飲食店などは、レジの近くに案内表示をして利用を促してきた=武雄市のビープラスマルシェ&カフェ

 昨年10月の消費税増税に伴い、消費喚起策として導入されたキャッシュレス決済の「ポイント還元制度」が30日で終了する。佐賀県内の加盟店は6505店(11日時点)で、制度開始時の約3千店から倍増。新型コロナウイルスの感染予防で現金の受け渡しを避ける人も多く、キャッシュレスは一定程度浸透した。ただ、店舗に対する決済手数料の政府補助が終了し、手数料アップも見込まれるため、今後も普及の流れが続くかどうかが焦点となる。

 「お客さまの利便性を考えれば、決済手数料は維持費。時代の流れだし、これからも使いたい」。武雄市の「ビープラスマルシェ&カフェ」のオーナー金岡潤(ひろし)さんは、キャッシュレス決済の割合が約5割まで伸びた現状を踏まえてこう語る。若い女性を中心にQRコード決済が約2割を占めるという。

 佐賀市諸富町の家具メーカー「レグナテック」のショールーム「クラッセ」では昨秋以降、キャッシュレス決済が約9割に増えた。筒井紀充店長は「ポイント還元に対するお客さまの認知度は高いと感じた。消費税増税の影響は最小限に抑えられ、効果は大きかった」と振り返る。

 ただ、業種や店舗によって温度差があり、ポイント還元事業による売り上げへの効果を実感できなかったところも。佐賀市の陶磁器店は「迷いながらキャッシュレス決済を導入したが、効果はあまりなかった」。事業終了後、店舗側が決済事業者に支払う手数料が引き上げられる懸念も強く、そうなれば「取り扱いをやめたい」とこぼす。

 最大5%還元のメリットは大きく、利用者の反応はおおむね好評だった。佐賀市の40代の男性会社員は、飲み会や電気代の支払いなどクレジットカードで積極的に行ってきた。コロナの感染拡大で「現金に触れるのをよく思わない人も多く、有効だったと思う」。ポイント還元は終わるが、「利便性を実感しているので、このまま使い続ける」。ほとんどの買い物をキャッシュレスで済ませる多久市の吉永香織さん(35)は「今後も(サービス事業者の)還元率などを意識しながら使いたい」と語る。

 佐賀県はクレジット決済率が低いとの調査結果があり、この間、県や市町もキャッシュレス推進の動きを強めてきた。商工事業者対象のアンケートなどに取り組んできた佐賀市商業振興課は「次のステップに進むため、市独自の補助制度も準備している。普及への流れを止めないようにしたい」と話す。

 

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