サッカー男子決勝・佐賀商-龍谷 PK戦で優勝を決め、喜ぶ佐賀商の選手たち=佐賀市健康運動センター

サッカー男子決勝・佐賀商-龍谷 1本目のPKを右手ではじく佐賀商GK山口晃毅=佐賀市健康運動センター(撮影・山田宏一郎)

 夏の県王者を決める運命のPK戦で、途中出場の守護神が大仕事をやってのけた。佐賀商のGK山口晃毅てるきは、相手のPKを2度阻止し、優勝をたぐり寄せた。けがで準々決勝と準決勝を欠場していただけに「悔しい思いがあった。絶対に貢献するという気持ちだった」と白い歯を見せた。

 1点を追う後半31分。松尾智博監督は「自分の力を信じて10割を出してこい」と山口をピッチに送った。終了間際に同点とした直後に迎えた1対1のピンチでは、体を張って冷静に決定機を阻止。「自信があった」というPK戦は、事前のデータを信じて1本目を右手ではじき、3本目は横っ飛びして残った左足を懸命に伸ばして防いだ。

 20日の準々決勝前の練習で、山口は右手小指を骨折した。ただ、痛み自体は翌日には引いていたという。決勝前日、松尾監督から「PKになったら出すぞ。準備しておけ」と伝えられ、この日はテーピングを巻いて出番を待った。

 けがで出場がかなわなかった仲間の思いも背負った。山口の小学校からのチームメート・木下雄貴主将は、1カ月半前に右足からボルトを抜いた影響でベンチに入れなかった。ピッチの外から聞こえる応援も力に、山口は好セーブを連発。最後まで声を枯らした木下は「晃毅はPKがうまい。何とか止めてくれると思っていた」と喜んだ。

 佐賀商は創部50年目で、これまで夏冬合わせて35回の優勝を誇る。松尾監督は「伝統を背負い、もがいた中から抜け出した。古豪復活の新たな一歩」と胸を張る。優勝直後、イレブンは歓喜に沸いたが、すぐに気を引き締めた。「この優勝で調子に乗らず、課題に取り組んでレベルアップする」と山口。冬の舞台ではさらに成長した姿を披露する。

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